続・小さな恋のメロディ~貴方が好きです~
久し振りに鳴った、電話の相手はマリナからだ。


「はい」

「久し振りだけど、元気?」

「うん」


マリナの声は、今まで聞いたことが無いくらい楽しそう。


「あのね、いきなりなんだけど…私、結婚する事になったの」

「そうなんだ?おめでとう!」

「ありがとう!で、三ケ月後にお式を挙げるんだけど…来て貰えるかな?」

「勿論!」

「じゃあ、住所を教えて!」


私はマリナに住所を教え、久し振りの会話に花を咲かせる。


「それで、結婚生活は上手くいってるの?」

「うん、凄く大事にして貰ってるから…」

「良かった…」

「マリナは?どんな人なの?相手の人」

「普通の人だよ」


普通の人…。
政略結婚じゃないんだ…ん。


「ご両親に反対されなかった?」

「されたけど、子供作って強行突破しちゃった」


そう言ってマリナは笑う。


「じゃあ、おめでた続きで良かったじゃない!」


私は”普通”を演じるのに、精一杯だった。

私が手に入れられなかった物を、普通に手に入れたマリナ…。


「じゃあ、又連絡するね!」

「うん」


電話を切って、ため息をつく…。

今が幸せなんだから、いいじゃない。

自分にそう言い聞かせた。

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