続・小さな恋のメロディ~貴方が好きです~
「鳴海…さん…?」


鳴海は驚いた顔をして振り返り、黙って私を見る。


「どうかしたの?」

「……」


もしかしてっ…
血の気が引いていくのを感じる…。


「…何かあった…?」


鳴海はハッとした顔をして、答えた。


「いや…。寝ぼけて綾香の部屋に入ったみたいだ。ごめんな…」


鳴海は必死に笑顔を作ると何も言わないで、自分の部屋に戻って行った。

鳴海の態度は明らかにおかしく、私はドキドキしながら机の前に向かう。


机の上を見ると、哲平からのあの手紙と私の携帯が置いてあって、哲平に掛けた発信の画面が出されたままになっていた……。

私は動けない。
息をするのが苦しくなるくらい、鼓動が激しくなる…。

どんな顔で鳴海の部屋に行けばいいの?


どんな顔で鳴海に会えばいいの?


考えても、考えても
言い訳なんて浮かんでこない…。

私はただ、立ち尽くす事しか出来ない…。

時間だけは確実に進んで、頭の中は真っ白だ…。

どれくらい時間が経ったんだろう?


鳴海は私の部屋に戻って来た。



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