続・小さな恋のメロディ~貴方が好きです~
「一緒に部屋に戻ろう?」

「…?」


鳴海はそう言うと、私の手を優しく引っ張って、鳴海の部屋へと連れて行く…。


怒ってないの?

何で何も言わないの?

怖くて聞けない…。


部屋に入り、鳴海はベッドに横になると、いつもの様に優しく腕枕をしてくれる。



でも…

少しすると、鳴海は背を向けて眠ってしまった。


私が後ろから鳴海に抱き着いてみても、何の反応も無くて…。


たったそれだけの事なのに、凄く寂しかった……。


朝起きると、鳴海は居なかった。

私は今までにない不安を覚える…。


「あら、珍しくお出かけですか?」

「…えぇ」

「朝ご飯はどうされますか?」

「いらない…」


高橋はブツブツ言っていたけれど、私は気にならないくらい、気持ちに余裕がない…。

私は運転手にデパートに連れて行って貰うと、エプロンを5枚と、分厚い料理本を買い家へと戻る。

鳴海がいつも戻って来る二時間前、高橋に言った。


「今日は私が晩御飯を作りたいの…」


高橋はなにも言わないで、キッチンの椅子に腰を掛け、お茶を飲む。

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