続・小さな恋のメロディ~貴方が好きです~
冷蔵庫の中を見て、ある材料と料理本に載っている物を照らし合わせ、ロールキャベツを選んで作り始めた。

高橋さんは横目でチラチラ見ながら、口出しは一切しないで、お茶を飲みながらテレビを見ている。

私は四苦八苦しながら、ロールキャベツを作り、鳴海の帰りを待った。

高橋さんも私も無口で、テレビの音だけが寂しく響く…。

時計の針は進み、鳴海がいつも帰って来る時間を二時間越えても、鳴海は帰って来ない…。



「私は先に休ませて貰いますよ」

「…ご飯は?」

「結構です…」


そう言って高橋は自分の部屋へと戻って行った。

一人残された私は、時計を見てため息をつく…。


昨日の夜の鳴海の背中…。


早く帰って来て?


私は部屋から携帯を取って来て、鳴海に電話するかを考える。

結婚当初、鳴海の帰りなんて気にした事なかった…。



重い気持ちを振り切って、発信ボタンを押す。


呼び出し音が悲しく響いた。


暫く待っても鳴海は電話に出る事はなく、留守番電話へと切り替わった…。




何で、出ないの?


< 35 / 128 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop