続・小さな恋のメロディ~貴方が好きです~
時計の針が1時を指した頃だった。


私は玄関が開く音が聞こえた瞬間、玄関に走る。


「お帰りなさい!」

「…あぁ」


そう言った瞬間、鳴海がよろけた。

私は急いで鳴海を支える。

その時、鳴海からするアルコールのキツイ臭いに気付いた。


「…お酒、飲んで来たの…?」

「…俺だって飲みたい時があるんだよ…」


今迄見た事のない、鳴海の不貞腐れてた顔…。

二人の間に出来た重い空気を掻き消すように私が言った。


「鳴海さん、ご飯は?今日ね…」


そう言いかけた時、私の声を切るように鳴海が言った。


「今日は要らない」

「……」

「…シャワーを浴びたら、寝るよ。それから…」

「……?」

「わざわざ起きて待ってなくてもいいから」


鳴海はそう言って、私の顔も見ないで浴室へと向かった…。

私は一人キッチンに向かい、ロールキャベツを食べる。


「…不味い」


ロールキャベツが入ったお皿に、ポツンポツンと涙が落ちる…。


「…不味くて…食べらんない…」


私は一口だけロールキャベツを食べて、全部捨てた。

食器を洗って鳴海の部屋に行くと、鳴海は布団の中に居た。


「私もシャワーを浴びて来るね」

「……」

< 36 / 128 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop