続・小さな恋のメロディ~貴方が好きです~
沢山の食材を買い込み、冷蔵庫に入れていると、高橋が言った。


「今日も奥様が晩御飯を…?」

「うん!今日は鳴海さん、早く帰って来ると思うから」

「じゃあ、私は自分の部屋で休ませて貰います」


部屋に戻ろうとする高橋に、私は笑顔で聞いた。


「高橋さん、今日の私の料理、食べて貰えるかしら?」

「…そうですね。今日は頂いてみようかしら…」


高橋はボソッとそう言うと、部屋に戻って行った。

私は高橋さんのその言葉に少し嬉しくなり、包丁を握る。

約二時間かけて、肉じゃがを作った。


「出来ましたか?」

「うん」


高橋は私が作った肉じゃがのジャガイモを、小さい器に一かけ取り少しの汁を取ると、それを口にした。


「味が薄いし、まだ固いですね」


高橋はそう言うと、味付けを手直しして、煮込み始めた。


「高橋さん、ありがとう」

「いえ。私は美味しい物を頂きたいだけですから」


愛想無く言う高橋さんが、とても頼もしく思えた。

後は鳴海を待つだけだ。



でも鳴海は帰って来ない…。

時計の針は22時を回り、私は肉じゃがを温め直すと、高橋さんに差し出した。

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