続・小さな恋のメロディ~貴方が好きです~
ー数日後


「…奥様、今日もご飯を?」

「うん。今日は早く帰ってるかもしれないから」

「今日はその料理本をしまって下さい」

「……?」

「私が隣で教えますから」

「ありがとう!」

「美味しい物が食べたいだけですから…」


喜ぶ私に、高橋さんは照れ臭そうに言った。


「それから奥様が家事を覚える気があれば、教えますけど…」

「本当に?」

「覚えておけば、困る事は無いですから」

「ありがとう…」

「じゃあ、明日から教えるので、ちゃんと覚えて下さいね」


私は昼は高橋さんに家事を教わり、夕方からは晩御飯を作る日々を続け、少しずつ身に付けていく。

でも鳴海は平日は毎日帰りが遅く、休みの日は外食で、少しずつ身についていく事も、気付いてさえ貰えなかった…。


明日になれば、昔の鳴海になるかも…そんな期待も、日にちが経てば経つ程薄れていく。

私はもうどうすれば良いのかなんて分からない…。


ただ機械的に毎日を過ごすだけだ。


そして、そんな毎日の積み重ねで、鳴海との溝が深まっていくのを感じていた……。

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