続・小さな恋のメロディ~貴方が好きです~
私がマリナの後ろ姿を見送ると、哲平が隣に来て言った。


「じゃあ、帰るか?」

「うん…」

「タクシー?」

「うん」


哲平はタクシー乗り場に私を連れて行く。
タクシーに乗ると、私に一万円札を渡して言った。


「これで足りるか?」

「えっ、いいよ?」

「いいんだよ。男に恥をかかせるなよ」

「…ありがとう」

「いつでも電話して来いよ」

「…うん」


私は哲平に見送られ、家へと向かった。

哲平、変わってないね…。


あの頃のまま…。

どんな日々を過ごしていたの?


私はフワフワした気持ちを必死に抑える。


「ただいま…」

「お帰りなさい」


出迎えてくれたのは鳴海ではなくて、高橋さんだった。


「鳴海さんは…?」

「奥様が出掛けて、少ししたら何処かに出掛けられましたよ…」


高橋さんは呆れた様に言った。


「…そう」

「奥様もお疲れでしょうし、今日の晩御飯は私が作りますから、ゆっくり休んで下さい」

「…ありがとう」


私は部屋に戻り、服を着替えるとベッドに横になった。


私の頭は哲平でいっぱいで


私の胸はまだフワフワしてる。



ドキドキが止まらないよ…。

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