続・小さな恋のメロディ~貴方が好きです~
気まずそうに言う哲平に、私は言った。


「いいよ」


頭では解ってる。
哲平と会ってはいけない事…。
でも、気持ちが着いていかないんだ…。


「マジ?じゃあ、空いてる時間があったら、連絡くれよ」

「いつでもいいよ」


鳴海は殆ど家に居ないもん…。


「じゃあ、時間が取れる時に連絡するよ。この時間なら電話しても大丈夫なの?」

「うん」


私は電話を切ると、哲平からの着信履歴を消去した。
又、鳴海が見てしまうかもしれないから…。

しなくてもいい心配…?


私、何をやっているんだろう……。


それから一週間、鳴海は相変わらずお酒を飲んでは、夜遅くに帰って来る。

夫婦の会話なんてない…。

不妊治療だって進んでいない。


何も変わらない毎日の中、哲平から電話が鳴った。


「はい」

「俺。急だけど、今から会えない?」

「いいよ」

「じゃあ…あの空地で待ち合わせしないか?」

「うん」


私は電話を切ると急いで化粧をし、服を着替えた。


「少し出掛けるから」

「晩御飯は…?」

「…いらない。だから今日はゆっくりしてて?}

「分かりました…」


高橋さんは寂しそうに言った。

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