続・小さな恋のメロディ~貴方が好きです~
運転手に空地の近く迄連れて行って貰うと、少し歩いて空地へと向かう。

空地に着くと哲平は来ていなくて、私は座り込んで空地を見渡した。

哲平との思い出が沢山詰まっているこの空き地…。

少しすると車が止まり、中から哲平が降りて来て言った。


「ごめん、待った?」

「ううん」

「行くか。車に乗って?」

「うん」


私は車に乗り込んだ。
BGMが心地良く流れる。


「この車、どうしたの?」

「買った」

「ふ~ん…」


哲平の車は高級そうで、身に付けている物も、以前とは違う。


「会社、上手く行ってるのね」

「…あぁ。寄付してくれた人の為にも、大きくしなきゃな」


私は一瞬ドキッとした。
寄付は…鳴海がしたって哲平は知らないの…?



「…寄付?」

「あぁ。口座に振り込んであった。でも知らない名前…。あの時は…」

「…?」

「空地で会った時、会社が立ち直った事を綾香にとにかく伝えたくて…。でも寄付して貰ったなんて、恥ずかしくて言えないだろ?」

「そう…」

「いつか、その人を探して返すつもりだけどな」


哲平はそう言って笑ったけど、私は少し複雑だった。

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