続・小さな恋のメロディ~貴方が好きです~
翌日の朝、鳴海は私に申し訳なさそうに言った。


「昨日はごめんな。これからは早く帰るようにするから…」


高橋さんはホッとした顔をしていたけど、私は何も言わなかった。

私と鳴海の間に出来た、壁も、傷も深い…。

籍さえ入っていなければ、私はこの家にはもう居なかったよ…。

二人の空気に耐えられなかったのか、高橋が言った。


「じゃあ、今夜は奥様の手料理にしましょ。奥様、随分上手になられたんですよ」

「そうなのか。楽しみだな」


必死に明るくしようとする、高橋さんと鳴海がウザイと思った。

鳴海を送り出した後、部屋に戻った。


家事はまだやる気にならない…。

ベッドに横になり、ウトウトしていると、哲平から電話が鳴った。


「はい」

「俺」


哲平の声に、何故だかホッとする…。


「うん」

「昨日は大丈夫だったか?」

「…大丈夫だよ」

「そっか。今度行きたい所を考えといて?俺、何処でも連れて行くから」

「うん!」

「じゃあ、又な」


哲平は、どうするつもりなんだろう…。

このまま鳴海にバレないように会い続けるの?

それとも私と鳴海が離婚するのを待ってる?

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