続・小さな恋のメロディ~貴方が好きです~
荷物を抱えて辿り着いたのは、哲平の家でもなければマリナの家でもない。
実家だ。
この家の匂いも、少しだけ年老いたママも、懐かしい気がした。
「鳴海さんとやり直す気があるのなら、余り長く居たらダメよ?」
「…うん」
事情を知っているだろうママは、何も聞かない。
「部屋に行くね…」
私はそう言って部屋に入る。
ねぇ、鳴海…。
何で他の女と心中自殺なんてしようとしたの?
帰りたくなかった…?
私は声を押し殺して、思いきり泣いた。
その涙は、鳴海の裏切りがショックなのか、妻としてのプライドを傷つけられた悔しさなのか、解らない……。
翌日高橋から、鳴海が目を覚ましたと電話があった。
退院は一週間後。
病院に来るように言われたけど、私は行かない。
だって、どんな顔をして会えばいいの?
ボンヤリとする私を見て、私の気持ちを見抜いたようにママが言った。
「お見舞いに行かないの?」
「…うん」
「鳴海さんの事が、許せない?」
「……?」
「貴女にある感情が、悲しいだけじゃなく、憎いとか、悔しいでもいいの。相手に無関心なら、そんな気持ちさえ沸かないわ」
実家だ。
この家の匂いも、少しだけ年老いたママも、懐かしい気がした。
「鳴海さんとやり直す気があるのなら、余り長く居たらダメよ?」
「…うん」
事情を知っているだろうママは、何も聞かない。
「部屋に行くね…」
私はそう言って部屋に入る。
ねぇ、鳴海…。
何で他の女と心中自殺なんてしようとしたの?
帰りたくなかった…?
私は声を押し殺して、思いきり泣いた。
その涙は、鳴海の裏切りがショックなのか、妻としてのプライドを傷つけられた悔しさなのか、解らない……。
翌日高橋から、鳴海が目を覚ましたと電話があった。
退院は一週間後。
病院に来るように言われたけど、私は行かない。
だって、どんな顔をして会えばいいの?
ボンヤリとする私を見て、私の気持ちを見抜いたようにママが言った。
「お見舞いに行かないの?」
「…うん」
「鳴海さんの事が、許せない?」
「……?」
「貴女にある感情が、悲しいだけじゃなく、憎いとか、悔しいでもいいの。相手に無関心なら、そんな気持ちさえ沸かないわ」