続・小さな恋のメロディ~貴方が好きです~
「考えてみる…」


けど、私は結局一度も行かなかった。


一週間、毎日のように鳴る哲平からの電話も無視して、脱力感しかない身体を、最低限に動かすだけ…。



ーピンポン


珍しく鳴るチャイムに、私は嫌な予感がした。


足音は少しずつ私の部屋に近付き、嫌な予感は当たったと確信した。


「綾香、鳴海さんが見えたわよ」

「…会いたくない」


ママは大きくため息を吐くと、大きな声で言った。


「いいわ、鳴海さん入って!」


足音は近付き、私は布団に潜る。


「…綾香、ごめんな」


ごめんな…?

そうか、離婚するんだ。

相手の女は、睡眠薬の量が少なくて、1日の入院で済んだって聞いてた。

皆が二人の関係を知ったんだもん。

私と離婚して、その女の人と一緒になるんだ…。

急にバカバカしくなって笑えた。

私は布団から起き上がり、鳴海に言った。


「離婚届けは?」

「…?」

「離婚したいんでしょ…?」

「……」


黙りこんで歯を食いしばり、下を向く鳴海を見ると、涙が出そうになる。

覚悟は出来てるよ。



早く言って……?


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