続・小さな恋のメロディ~貴方が好きです~
鳴海は車を飛ばし、すぐに実家に着いた。


インターホンを慌てて、何度も何度も押す…。


ママは…出ない…。


家の鍵も掛かったままで、私は鞄の中をグシャグシャに掻きまわして、実家の鍵を見付けた。


ーカチャッ


玄関の鍵が開くと同時にドアを開け、一歩足を踏み入れると、すぐに異変に気付いた。


ママの靴が無い……。

私と鳴海は顔を見合わせ、片っ端からママを探した。


「ママ―?!」


ママの部屋を開けて入ると、ママのお気に入りだった服も、靴も、化粧品も、無くなっていて、少しガランとしていた……。



ママは何処にも居なかったよ……。


ただ呆然とする私の頭を、鳴海が優しく撫でて…


二人の間には重い空気が流れた。


その時、私の携帯が鳴った。


公衆電話からだった。


……ママ?!


私は急いで電話を取る。


「はいっ」

「……」

「もしもし?」



―プープープー…


電話はすぐに切れて、それを何度か繰り返した。
何度も繋がっては切られる電話に、苛立ちを覚える…。

そして少しすると、非通知から電話か鳴った。


「…はい」

「綾香?」


ママだ!

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