続・小さな恋のメロディ~貴方が好きです~
ーガチャッ


悲しみに突き落とされてた私は、玄関の鍵を開けっ放しにしていた事に気付く。

鳴海と顔を合わせ、手を強く握って、足音がする方に近付いた。


「…パパ?!」


今日は帰れないと言っていた、パパの姿がそこにある。

パパも、私と鳴海の姿を見て言った。


「玄関の鍵、開けっ放しだったぞ?」

「……」


ねぇ、パパ…。
それだけなの?
ママ、出て行ったよ?


「お母さんは?何処に居るんだ?」


面倒臭そうにパパが言った。


「ママ、もう帰らないって!」


私はパパの態度に苛立ち、キツク言った。

すると、パパは怒りを露にして言ったんだ。


「何を言ってるんだ!選挙が近いのに。直ぐに帰って来るように連絡をしなさい!」


こんな時に選挙だなんて…。
信じられない……。


「私も連絡先を知らないから!」


私はそう言うと、鳴海の手を引っ張って玄関へと向かう。


パパがそんなんだから、そんなんだからママが出て行くのよ。

選挙の事しか頭にないんだ…。
あんな人、父親だなんて思いたくないよ!

出て行く私を止めないパパを不思議に思い、振り返った。



何故だろう…?
パパの背中が小さく見えた……。

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