続・小さな恋のメロディ~貴方が好きです~
「いいのか?」

「……?」


車に乗ろうとした瞬間、鳴海が言った。


「お義父さん…寂しそうだったから」

「いいのよ、あんな人…」

「…俺、時々顔出そうかな」

「いいよ。そんな事しなくても…」


私はパパの事を気にする鳴海を止めて、鳴海は車を走らせた。


以前、私の大学の事で大喧嘩をしていたパパと鳴海を、仲良くさせるには良い機会だった。

でも、そんな事を考える余裕が無い私は、後で後悔するんだ……。


ママが居なくなっても、毎日は普通に過ぎていく。

時間は一秒だって止まる事は無く、何も知らない人達も、知っている人達も、普段通りに生きて行く…。


普段居た人一人がその場所から居なくなったって、普段居なかった人が突然現れたって、世の中は何も変わらない事に改めて気付かされる。


人間って小さい。


でも身近にいる人間は、こんな気持ちなんだって、初めて知った…。

哲平と兵庫に駆け落ちをした時の事を思い出す…。

あの時の、ママや鳴海の気持ちが解った気がした。

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