続・小さな恋のメロディ~貴方が好きです~
世間は何も変わらない毎日の中、私の中には異変が起こっていた。

ママが居なくなったあの日から、毎日、公衆電話から電話がかかって来るようになった。

夜は滅多に鳴る事のない、公衆電話からの電話。
無言の電話…。


ママからの電話が掛かって来るかもしれないから、拒否なんて出来ない。

そして又、公衆電話から電話が鳴った。


「…はい」

「……」

「ねぇ、誰?」

「……」


いつもはすぐ切ってしまうけど、相手が喋る迄待ってみる事にした。

でも、そんなに長い時間待つ必要は無かった。


「ねぇ、いつ別れてくれるの?」


何となく、そんな予感は…していたよ…。


「……」


女は、電話の向こうでガムをクチャクチャ嚙みながら、かすれた声で強く言った。


「早く離婚してくれないかなぁ?!」

「……っ」


手が震えて、呼吸が早くなって、頭が真っ白になって、言葉が見付からない……。

私は電話を切った。

落ち着かなきゃっ…。


大きく深呼吸して、動揺を抑える。

その後、何度も掛かって来る電話を、サイレントモードに切り替えると、携帯をベッドの上に置き、枕を被せた…。



どうすればいいの?


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