続・小さな恋のメロディ~貴方が好きです~

距離

あらから私は月に二回のペースで女に呼び出され、お金を要求された。


約1000万あった貯金残高も、気付けば500万に迄減っている…。

私は携帯が鳴るだけで恐怖を感じ、精神的にも限界を感じていた。


そんなある日、鳴海が言った。


「たまには何処かに出掛けようか?」

「…うん」

「俺、暫く行ってないけど、行きたい所があるんだ。着替えておいで」


私は服を着替えて戻ると、鳴海は私の手を取り歩き始めた。


「…車じゃないの?」

「あぁ。電車デート、一度もした事なかっただろ?」


そう言って鳴海は嬉しそうに笑った。


「どうして…?」

「気分転換だよ」


鳴海は気付いてるよね?
私の変化に…。
電車に揺られて少し歩いて辿り着いたのは、桜がいっぱい咲いていて、凄く奇麗な小さな丘だった。


「奇麗…」

「ここ穴場なんだ。綾香にいつか見せたくて」


そう言って鳴海は優しく微笑んだ。


私と鳴海は座って、桜を眺める…。


「いつ見付けたの?」

「子供の時。親に怒られて、家でのつもりで電車に乗ってさ。何となくあの駅で降りて歩いたら、ここを見付けたんだ」

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