続・小さな恋のメロディ~貴方が好きです~
哲平の話によると、女は妹と一緒に両親の借金を返しながら暮らしていて、キャバクラの仕事で鳴海と出会ったらしい。

妊娠していたのは妹の方で、あの女は妊娠なんてしていなかった…。



「訴えるか?それとも警察に…」

「…いい。もう関わらないでいてくれたら」

「分かった。弁護士に電話するよ」


話しの流れで大体の想像がついた。
妹の為にやってたんだろうって…。

キャバクラで働いてる子は、色々ある子が多いって、マリナの言葉を思い出す…。

あの女のやり方は、決して正しくはないけど……。

電話を切った哲平が言った。


「少し話さないか?」

「うん」


二人で近くにある公園に向かった。


「最近、何してた…?」

「…色々あったよ」


ママが出て行った事や、不妊の事が頭の中を駆け巡る。
でも、哲平には言わない。


「そっかぁ」


私と哲平の繋がらない会話。
何かを話そうとしても、言葉は見付からない。


「私、そろそろ帰るね」

「あぁ」

「本当に今日は…ありがとう!」

「又、何かあったら連絡しろよ?」


私が哲平にとびっきりの笑顔を見せた二週間後、パパが選挙で落選した……。


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