続・小さな恋のメロディ~貴方が好きです~
鳴海にバレてた?
今迄何度か哲平に会ってた事…。


私の頭の中はグルグルと回る。


「…哲平くん?」

「はい」

「もしかして…」


”綾香と何かあるの?”


鳴海がそう言ったら、どうしよう…。
私は俯いて二人の会話を待った。


「招待されました!」


嬉しそうに哲平が言った。
私は意味が分からなくてキョトンとする。


「そうか、たった数年で本当に凄いな、君は…」

「いえ…。僕だけの力じゃありませんから」


鳴海と哲平が仲良さそうに話していると、パパが戻って来た。


「きっ、君は大野哲平じゃないか!こんな所で何をやってるんだ?」

「…お久しぶりです」


哲平はパパに深々と礼をする。


「だから、何で君がここに居るのかと聞いているんだ。どうやって潜り込んだんだ?」


苛立つパパに鳴海が答えた。


「彼はここに招待されたそうですよ」

「君がか?」

「はい」


三人の中に沈黙が流れる。
パパ…哲平に余計な事を言わないで…。

ハラハラする私の不安は、パパの意外な言葉で驚きに変わった。


「凄いじゃないか!あの状態でよくここまで登り積めたな」

< 85 / 128 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop