まさか私が告白されるなんて

 「えー、もしかして付き合ってるの?」
 「はい」
 「いつからー?」
 「昨日から……です」
 「え? なんで?」
 「彼が……告白してくれたんです」
 「へー、そっか。ところでさ、敬語やめない?」
 「え?」

 そっか、見抜かれてたんだ。私が距離を置こうとしていることを。
 そう考えた途端、少しだけ恥ずかしくなってしまう。

 いや……恥ずかしがる必要なんてないじゃん。
 ただ、距離を取ろうと思っての警護なのだし。

 「私たちクラスメイトでしょ!! 敬語なんてやめようよ」
 「……うん」

 正直敬語を辞めたくはない。
 私とこの人が同じクラスメイトだ。だが、同じ立場なわけがない。
 クラスカーストがまず違いすぎて、敬語なんてやめられる気がしない。私のそのイメージというのは、変えられない。それに私の持論として、こういうクラスカースト上位の人たちは私たち下位の人を見下しているのだ。
 
 どうせこれも利用しているだけ。私に対して何の感情も抱いてないでしょ。
 勝手なイメージかもしれない。でも、私には……

 「何見てるの?」

 しまった、がん見をしてしまったかもしれない。これでは私が失礼な人になってしまう。

 なんとかして、言い訳しないと。

 「その、きれいだなって」

 嘘はついてないはず。彼女はしっかりと校則ぎりぎりの格好をしているのも事実だが、その分おしゃれをしている、学校からばれないように。その努力は認めている。
 それに、おしゃれとか云々以前に、顔が整っている。私がこの顔だったらなあと、考えてしまうような顔だ。

 「ありがとう。唐突だけど」

 彼女もまんざらではない様子だ。何とか、私のやらかしをごまかせたようだ。
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