まさか私が告白されるなんて

 そして、重村君が、「山本さんをもらっていい?」と言って、私を連れて行った。今の時間は32分、あと3分でホームルームが始まるはずだが。

 「何か言われた?」

 まさかの言葉を聞いて私は固まった。

 「えっと、付き合ってるの? とか」
 「そう、僕が見ている感じだと、山本さんおどおどしてるように見えたからさ」
 「おどおど……」

 私としてはおどおどしているつもりはなかった。ただ、質問に対しての答え方が分からなかっただけ。

 それをおどおどと言うのかもしれないが、重村君にそう思われたということは春原さんにもそう見えていたという事か。
 飲んとなく恥ずかしい気持ちになる。

 「でも、ありがとう」
 「え?」
 「私あのまま会話してたら死んでたかもしれない」
 「し、死んでた?」
 「うん……緊張で」
 「緊張って」
 「おーい、そろそろホームルームするから中に入れー」

 そう、担任の先生に言われて、中に戻る。
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