まさか私が告白されるなんて
私が告白される理由が分からない。私には友達もいない、クラスでただ一人浮いているだけの存在だ。
告白するなら相坂純恋さんや、春原莉子さんの方がいいはずだ。何しろ女子である私から見てもかわいいのだ。
考えれば考えるほど無意識に私を卑下してしまう。私は……
「僕は山本さんしか考えられません。僕は山本さんしか見てません」
「でも……私何もとりえもないし」
「僕は……山本さんのその顔が好きです。それに時々見せる笑顔も、さらにその愛らしい声も好きです」
「……」
「ほかに山本さんに勝てるような女子はいないです。世界のどこにも。だからお願いします。僕と付き合ってください」
そう、頭を下げられた。私の返事ははいに決まっている。私みたいな陰キャに彼氏ができるなんて。
私はまだ、琢磨君のことをあまり知らないし。不安要素も多い。
でも、だからこそ知っていきたい。
私のことが好きな人のことを。
「はい!」
そう、返事をした。