【中編版】スパダリ煎茶家は、かりそめ令嬢を溺愛包囲して娶りたい。
「大宮さん、今日ってどこに行くんですか?」
「ん? さぁ、どこでしょう」
実は私は行き先を教えてもらっていない。ただドレスコードでと言われたからレストランかななんて思ったりしている。
車の外はよく見る街並みでビルばかりだけど夜だからか夜景が綺麗だった。
そして四十分ほどで到着したのは隠れ家的な感じのレストランで【Restaurant Plaisir】と筆記体で書いてある看板が立っている。Plaisirって喜びとか楽しみっていう意味だった気がする。それにここって、以前雑誌で見たお店なはず……確か個室が三室で予約制だから予約を取るのは難しいと載っていた気がする。
「さぁ、行こうか」
「はいっ」
車から降り、大宮さんにエスコートされてお店に入る。お店はとてもラグジュアリーな空間でキラキラしている。
そして案内されたのは個室で二面が大きな窓の各部屋で夜景が綺麗なところだった。