【中編版】スパダリ煎茶家は、かりそめ令嬢を溺愛包囲して娶りたい。
「……こちら、千葉県産の稚鮎のフリットにキャビアのカナッペ、ジンライムときゅうりのかき氷になります」
ウェイターさんは、アミューズから持って来て一つずつ丁寧に説明してくれた。
一品一品が綺麗に盛り付けられていて、とても美味しそうだった。それからも料理が運ばれて来て、生潤菜とリコッタチーズのパルフェ北寄貝のアスピック、マッシュルームのパイ包み、ヤリイカとホタルイカの炭火焼きに菜の花ソースが添えられていた。
「……美味しかった?」
「はい、とっても。こんな素敵なお店に連れて来てくださってありがとうございます」
「まだデザートもあるよ」
デザート……!楽しみ!
ワクワクしながら待っていると、デザートがやってきた。
お皿には小さなホールのイチゴのショートケーキが真ん中より上の方にある。
そして、その下には【will you marry me?】と書いてあった。