【中編版】スパダリ煎茶家は、かりそめ令嬢を溺愛包囲して娶りたい。
「……由良乃千愛さん、俺と結婚してください」
そう言って大宮さんは婚約指輪を差し出した。
「……っ……」
今日プロポーズされるとは思ってなくて、言葉が出てこない。嬉しい。
「千愛ちゃん?」
「ありがとうございます、大宮さん」
「結婚、してくれる?」
「……っはい。よろしくお願いします」
私が頷くと、大宮さんが指輪をつけてくれた。
「ケーキ食べよっか、美味しそうだね」
「はい、とても美味しそうです……大宮さん一緒に食べましょう」
そう言って、取り皿にケーキを切って半分渡してから一緒に食べた。このケーキはとても甘くて、だけどとても美味しかった。