【中編版】スパダリ煎茶家は、かりそめ令嬢を溺愛包囲して娶りたい。
「……綺麗だわ、千愛」
「ありがとうございます、お祖母様」
翌日になり、今日は結婚式。
結婚式が行われるのは、お寺ではなく仏前式の設備が整っているホテルだ。
私は、椿の花の雄しべを金の振箔で花びらは控えめなラメ糸で刺繍された優しい印象の白無垢を着ており正絹特有の滑らかでふくよかな肌触りで気持ちいい。
軽くて着心地も良いから着ていて疲れない。髪はふんわりとしたシニヨンに、白系に統一したドライフラワーの髪飾りを合わせて少しだけ甘めのスタイルにした。
「お式も楽しみだわ。じゃあ、また後でね」
「はい」
いろんな人が挨拶に来てくださって、その後誓斗さんが現れた。
「誓斗さん」
「千愛ちゃん、綺麗だ……」
「ありがとうございます。誓斗さんも、素敵です……!」
誓斗さんが着ているのは、黒五つ紋付き羽織袴。
伝統的で落ち着いている印象で、和服は何度も見たけど黒の和服は始めてだ。だから新鮮でかっこいい。