【中編版】スパダリ煎茶家は、かりそめ令嬢を溺愛包囲して娶りたい。



「まぁ、一人で宿泊してもつまらないからね……そうだ、お茶淹れよう。ティーパックだけど、高級ホテルだしきっといい茶葉だよ」

「そうですね。ティーパックなら私でもできそう」


 私は備え付けの湯呑みにティーパックを開けて一つずつ入れた。ポットからお湯を注いでお茶を出す。


「……どうぞ、誓斗さん」

「ありがとう」


 誓斗さんは「香りはいいね」と言いながら、ひとくち口に含む。


「うん、美味しい。ティーパックもいいものだね」

「そうですね……うん、美味しいです」

 

< 112 / 118 >

この作品をシェア

pagetop