【中編版】スパダリ煎茶家は、かりそめ令嬢を溺愛包囲して娶りたい。
「まぁ、一人で宿泊してもつまらないからね……そうだ、お茶淹れよう。ティーパックだけど、高級ホテルだしきっといい茶葉だよ」
「そうですね。ティーパックなら私でもできそう」
私は備え付けの湯呑みにティーパックを開けて一つずつ入れた。ポットからお湯を注いでお茶を出す。
「……どうぞ、誓斗さん」
「ありがとう」
誓斗さんは「香りはいいね」と言いながら、ひとくち口に含む。
「うん、美味しい。ティーパックもいいものだね」
「そうですね……うん、美味しいです」