【中編版】スパダリ煎茶家は、かりそめ令嬢を溺愛包囲して娶りたい。



「……はぁ〜お腹いっぱい」

「そうだね。式の時は食べられなかったしね」

「はい。なんだか、一年分の美味しい料理を食べた気がします」


 大袈裟ではなく本当に思ったことだ。本当にとても美味しかった。心も体も満足した私たちは部屋に戻った。

 部屋に戻って一日の疲れを流しにシャワーを浴びて彼の元に向かう。すると誓斗さんもシャワーを浴びに行ってしまった。


「……そういえば、初夜だ」


 一緒に暮らしてはいても“結婚式”が終わってからと決めていた。だから今までは手を繋ぐとかだったし、しても、軽くキスくらいで……それ以上はなかったから。


「……っ……」


 どうしよう、いまさら緊張してきた……私、全く経験ないから幻滅されたらどうしよう。
 そんなことを考えていれば、誓斗さんは同じパジャマに同じ香りを纏わせてやってきた。

 ……色気半端ない。


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