【中編版】スパダリ煎茶家は、かりそめ令嬢を溺愛包囲して娶りたい。
◇エピローグ
朝日が眩しく感じて目が覚めた。
私は寝返りしようとするけど、それはできなくて私の腰には彼の腕がまかれていて後ろから抱きしめられている形になっている。
「そうか、昨日……私」
糸纏わぬ姿。服は全く着ていなくてシーツ一枚被っているだけだった。
「……起きたの? 千愛ちゃん」
「誓斗さんっ……あの、離してくれませんか?」
「え、嫌だよ。もう少し、堪能したい」
誓斗さんはぎゅっと抱きしめる力を強めて首筋にキスを落とす。
すると、彼の腰にあった手が上に移動していくのがわかった。
「……っ、誓斗さんっ……んん」
昨日の名残りなのか彼が触れるだけで甘い声が漏れてしまうのがわかる。だからそれを我慢したくて口を噤む。