【中編版】スパダリ煎茶家は、かりそめ令嬢を溺愛包囲して娶りたい。
そうして、あれから――半年が経った。
「いらっしゃいませー!」
私は今もあの時採用してくれた飲食店で働いている。ほとんどの給料が借金へ消えてしまっているけど……なんとかやっている。
「菊亭さん。三番席練乳抹茶かき氷アイス追加で!」
「はい、了解です」
私はかき氷機の前に行くと器をとり機械を動かす。お皿にアイスを乗せて、その上にふわふわのかき氷を作る。
それに抹茶シロップを格子状にかけてその上から練乳をかけて完成だ。それを素早く作って、伝票とともにテーブルへ持っていった。
「お待たせいたしましたー! 抹茶練乳かき氷のアイス追加です」
「ありがとう」
「ではごゆっくり」
私はキッチンに入る前に空いた席の食器を片付けをして「十番テーブルバッシングオッケーです!」と言って皿洗い場所に持っていった。