【中編版】スパダリ煎茶家は、かりそめ令嬢を溺愛包囲して娶りたい。
「私が借金返済をいたしました。これは完済書です。なので、一緒に暮らしましょう! 千愛さん」
そこでなんで「なので」になるのかわからないけど、由良乃さんはこれが目的で来たのだとそう思った。
借金を返済してもらったのに嫌ですと拒むことはできなるわけがない。だから、もし由良乃さんと暮らした場合ここはどうなるのかを問いた。
「この土地と建物に関しては、残しておきます。使っていた道具は、あなたの好きにしてくださって構いませんよ」
「……わかりました」
「返事は急ぎません。答えを待ちますので安心してね」
そう言った由良乃さんは嵐のように、帰って行った。