【中編版】スパダリ煎茶家は、かりそめ令嬢を溺愛包囲して娶りたい。



 ***


「……え、菊亭さん辞めちゃうの? いつ?」

「来週の金曜日が最後になります」


 私は考えて考えて……由良乃さんと一緒に住む決断をした。まぁ、借金も返してもらった恩もあるし何より身内の人がいたことが何よりも嬉しかった。

 だが、そうなるとバイトは辞めなくてはいけなくなる。だから先日、店長に辞める旨を伝えたところ急なのになんとか了承していただいた。
 ちょうど新しい子が入るからプラマイゼロになっちゃうなーと嘆いていたけど……


「めっちゃ寂しくなるなぁ」

「すみません」

「いいんだけどさぁ〜……同世代がいなくなっちゃうのは寂しいよ」

「私も寂しいです……」


 本当に寂しいなぁ
 働き始めてからシフトはほぼほぼ同じだったから毎日会ってたから。


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