【中編版】スパダリ煎茶家は、かりそめ令嬢を溺愛包囲して娶りたい。
「……えっと、どちらさま?」
そこには見たことない男性が立っていてその後ろにも男性がいる。
「すみません、申し遅れました。私は、由良乃和成といいます。由良乃美子の孫です」
「……孫」
「はい、千愛さんの従兄になりますね。今日はお祖母様がくる予定でしたが、予定が入ってしまい、私が赴くことになりまして来た次第です」
この人が優秀なお孫さんかぁ……確か、今は副社長してるって聞いた気がする。自慢げに話をしていたから。
「わざわざありがとうございます」
「気にしないでください。由良乃に来る前に書いていただきたい書類がありますのでお邪魔してもよろしいでしょうか」
「あ、はい。大丈夫です」
お店にまだある椅子に座ると「こちらです」と書類を手渡した。