【中編版】スパダリ煎茶家は、かりそめ令嬢を溺愛包囲して娶りたい。
「うん、あんみつは三十あるからよろしくね」
「はい! ありがとうございます」
「今日からのすもも大福は十時半から出せると思う」
「ありがとうございます!」
私は作られた上生菓子を最近新しく購入した対面ショーケースに入れていく。
それが終わると、【新商品:すもも大福】と書いてあるチラシにペンで十時半と数字で書いた。
開店すればチラホラとお客様が入ってきて、上生菓子が少なくなってきた頃にすもも大福がショーケースに並べる。
「千愛さん! すもも大福を三つとこの琥珀糖ひとパックちょうだい」
「いらっしゃいませ! ありがとうございます」
私はパックに詰めてビニールに入れるとお会計をした。
「すもも大福、ずっと楽しみにしてたのよ〜」
「そうなんですか? ありがとうございます。楽しんでいただけますように」
「ありがとうね」
常連の方が数名きてくださってほとんどなくなってきた頃、予約のお客さんがやってきた。