【中編版】スパダリ煎茶家は、かりそめ令嬢を溺愛包囲して娶りたい。
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それから時間は流れて一ヶ月が経った。
私は、ただこの豪邸で過ごしているわけではなくご令嬢教育というものを学んでいた。本当なら小さな頃からコツコツと習うものらしいが、お祖母様は学んで損はないからと講師までつけてくださり今はテーブルマナーを学んでいる。
「そうですね……音、鳴らなくなりましたね」
「本当ですか?」
「えぇ。最初はゼロからだったんですもの。ダメかと思ったのですが、継続は力なりですね。礼儀作法の先生もほめていらっしゃいましたよ」
それは嬉しい。だって、礼儀作法の先生は本当に鬼のように厳しい先生だったから。
先生方のおかげでなんとかお嬢様っぽくはなったかと思う……多分。