【中編版】スパダリ煎茶家は、かりそめ令嬢を溺愛包囲して娶りたい。



「私に、でしょうか?」 

「えぇ。ここに娘はあなた一人しか住んでいないし由良乃家には女子はあなた一人よ」

「それは、知ってますけど……でも」

「信じられないのね……だけど、これは私が選んだ中でいいと思った男性よ。本当は三枚ほどはあったわ。あのパーティー以来参加してくださった中から結構釣書をいただいているから」


 パーティー……かぁ

 私は、お祖母様に渡された釣書を広げてみると【大宮 誓斗】と書かれていて、煎茶家という文字に加えて次期家元と書かれている。

 経歴も結構すごかった……



「大宮さんは、千愛とも顔見知りだしこの前もお茶会に行ってきたんでしょう? だからいいかなと私は思ったのだけど」

「えっと、いきなりのことだったので驚いてしまって……」

「そうね。急に縁談って言われてもねぇ驚くわよね。じゃあ、綺麗なお着物着て大宮さんと美味しい食事をしてくるならどう……?」


 確かに、それならいけるかもしれない。
 そう思って「多分、大丈夫です」と言った。


「良かった。もうね、返事しちゃったの……了承してくれて良かったわぁ」 

「……そうなんですか?」


 それは拒否権なかったってことだよね?


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