【中編版】スパダリ煎茶家は、かりそめ令嬢を溺愛包囲して娶りたい。
「場所は老舗の料亭でね【湊】と言うお店よ。お魚も美味しいんだけど、発酵料理が美味しくてね」
「発酵料理?」
「えぇ。それに由良乃製茶のお茶も取り扱ってくださっているからよく食べに行くの。料理にも使われててね」
発酵料理か……前に流行ってたから発酵料理は作ったことはあってもそういうのをお店屋さんで食べたことない。
「美味しそうですね……! 何につかわれているのですか?」
「碾茶というのだけど……知っているかしら」
「あ、はい。抹茶の粉になる前の茶葉ですよね。家でも茶飯で出してくださるものでしょうか」
「そうよ。まさにその茶飯が出るのよね」