【中編版】スパダリ煎茶家は、かりそめ令嬢を溺愛包囲して娶りたい。
「こんばんわ、遅くなってしまいすみません」
「いいえ。そんなことはないですよ。お二人はお忙しい方々ですもの……仕方ありませんわ。誓斗さんはこの前、パーティーに来てくださってありがとうございました」
「いえ、とても有意義な時間を過ごせました。あ、改めまして。大宮誓斗と申します。よろしくお願いします」
大宮さんはそう言うと私に微笑んだ。私も自己紹介をして、お父様にも挨拶をする。
「可愛らしいお嬢さんだな、……お腹空いただろう? 食べようじゃないか」
「そうですね」
お父様の一声で、待っていたのかと思うくらいのいいタイミングで前菜が運ばれてきた。