【中編版】スパダリ煎茶家は、かりそめ令嬢を溺愛包囲して娶りたい。
◇ドライブデート
あのお見合いから数日経った。
あの日の翌日、私は信じられない思いのまま朝リビングに行くとお祖母様から「大宮さんね、あなたさえ良ければこの話を進めたいそうよ」と言われて現実なんだと実感した。
そして今日は、大宮さんに誘われてお出かけすることになった。
「亜美、大丈夫かしらこれ……」
「はい、お似合いですよ」
今日の服は、長め丈のレトロで白色の花柄ワンピにライトブルーの腰より上の長さのあるGジャンを着た。
髪はポニーテールに両端は編み込みにそれがリボンでまとまっている。
「亜美ってすごいわね。私じゃ、こんなふうにうまくできない」
「そんなことはありませんよ〜……さぁ、早く下に行きましょう。大宮様が来てしまいますよ」
「そうね、じゃあ下に行きましょうか」
私がそう言えば、亜美はドアを開けてくれて外に出る。すると、そこにはすでに来ていたらしい大宮さんがいた。
「ど、どうして……」
「ごめん、千愛さんに会いたくて。ちょうど階段を見上げたら見えたから。お祖母様には許可はいただいたよ」
「そうなんですね……遅くなってしまってすみません」
「俺が早く来てしまったんだ、だから大丈夫」
大宮さんと階段を降りると、お祖母様と和成さんがいて見送ってくれた。玄関ではもう靴は用意されていてそれを履いて外に出た。