【中編版】スパダリ煎茶家は、かりそめ令嬢を溺愛包囲して娶りたい。



 お祖母様に見送られて一度部屋に戻り、服を整えると稽古着の浴衣と半帯を風呂敷に包んで持って外に向かった。外にはもうすでに車が停車していてそれに乗って日本舞踊のお家へ向かった。

 屋敷から十分ほどの距離にいつもお稽古をして頂いている花屋敷(はなやしき)流日本舞踊のお家がある。

 そこの名取である花屋敷桜子(さくらこ)先生に教えて頂いていた。


「……こんにちわーお邪魔します」


 日本家屋の立派なお家に入ると「千愛さん」と声をかけられる。


「先生、こんにちわ。今日もよろしくお願いします」

「うん。よろしくねー……じゃあ、更衣室で着替えていつもの和室にお願い」

「わかりました」



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