【中編版】スパダリ煎茶家は、かりそめ令嬢を溺愛包囲して娶りたい。



「……何にする? この前のもいいけど、期間限定のカシスベリーソースと豆腐チーズクリームもいいよね」

「そうですね! でも、この前大宮さんが食べていたマンゴーソースと豆腐クリームも美味しそうだったし……」


 そう言って唸って悩み、私はカシスベリーソースのを選んだ。
 大宮さんはお気に入りなのかまたマンゴーソースにしたらしくそれを頼んだみたいだ。私は今日こそお金を出そうと財布を取り出したのに、もう大宮さんは電子マネーでもう支払いを済ませてしまっていた。 

 その証拠に、支払いの音が響いていた。


「今日もありがとうございます。……ご馳走様です」

「いいえ。俺が払いたいだけだから」


 注文して十分ほどで焼き上がったらしく、テイクアウトのパンケーキの箱が袋に入れられて渡された。それを持って車に乗って、まっすぐに家に送ってもらった。


  
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