【中編版】スパダリ煎茶家は、かりそめ令嬢を溺愛包囲して娶りたい。



「私も可愛いと思うわ。でも、お稽古に行くだけなのにこんな素敵なのでいいのかな」

「何をおっしゃってるんですか? 今からは、大宮様のところでお稽古なんですからデートも同然です」 

「デートって……お稽古よ。お稽古の後は、お出かけに誘われているけど」

「それじゃあ、デート行くじゃないですか! なら大丈夫ですよ。もうそろそろ、大宮さんお迎えじゃないですか」


 そう言われて時計を見るともうすぐお迎えの時間だった。だから私は亜美に行って来ますと言って、下に降りるとリビングで楽しそうな話し声が聞こえてリビングのドアを開ける。
 

「大宮さん! もう、いらっしゃっていたんですか? すみません」 

「千愛さん。大丈夫だよ、俺が早く来ちゃっただけ。由良乃社長の好意に甘えて上がらせて貰っちゃった……それに、千愛さん。大変なんだ、少し厄介なことになってね」


 大宮さんの格好は今日は、グレーの和服だ。洋服の大宮さんもかっこいいけど、着物も素敵だ。

 だけど、厄介なこととは……?


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