【中編版】スパダリ煎茶家は、かりそめ令嬢を溺愛包囲して娶りたい。


「……これ、明日出る週刊誌なんだけど」


 週刊いちごと書かれている有名な雑誌には、【由良乃製茶社長の孫娘は家出をした息子の子ども】【なんちゃって令嬢】などと好き勝手に書かれている。

 それに写真もたくさんあり、下の方に【元婚約者語る!?】なんて言葉と共に写真付きで載せられていた。



「何これ……って、なんか私が婚約破棄を申し出たって書かれてる……」


 なんで私の評判を下げるようなことが書かれているわけ!?



「あ、あの! お祖母様、会社には、由良乃製茶には影響してないですか?」

「あぁ、そこら辺は大丈夫だよ。会社のことは気にしなくていい。だが、そのうちここにメディアがくると思う。だから千愛は、大宮さんのお宅で世話になりなさい」

「……え?」


 二人は勝手に話を進めていて、荷物は後で届けると言うことになった。

そして大宮さんはお祖母様に「では、千愛さんをお借りしますね」と言えば、お祖母様はそれに頷いた。

本当に、大宮さんの家に行くの!?と不安になったけど、大宮さんは「行こう」と言って私を連れて家を出た。
 


< 92 / 118 >

この作品をシェア

pagetop