【中編版】スパダリ煎茶家は、かりそめ令嬢を溺愛包囲して娶りたい。
「……これ、明日出る週刊誌なんだけど」
週刊いちごと書かれている有名な雑誌には、【由良乃製茶社長の孫娘は家出をした息子の子ども】【なんちゃって令嬢】などと好き勝手に書かれている。
それに写真もたくさんあり、下の方に【元婚約者語る!?】なんて言葉と共に写真付きで載せられていた。
「何これ……って、なんか私が婚約破棄を申し出たって書かれてる……」
なんで私の評判を下げるようなことが書かれているわけ!?
「あ、あの! お祖母様、会社には、由良乃製茶には影響してないですか?」
「あぁ、そこら辺は大丈夫だよ。会社のことは気にしなくていい。だが、そのうちここにメディアがくると思う。だから千愛は、大宮さんのお宅で世話になりなさい」
「……え?」
二人は勝手に話を進めていて、荷物は後で届けると言うことになった。
そして大宮さんはお祖母様に「では、千愛さんをお借りしますね」と言えば、お祖母様はそれに頷いた。
本当に、大宮さんの家に行くの!?と不安になったけど、大宮さんは「行こう」と言って私を連れて家を出た。