愛を秘めた外交官とのお見合い婚は甘くて熱くて焦れったい
彼女とよい関係を築いていたさなかに、ベルギーへの赴任が決まってしまったのは仕方がない。
結婚相手としてはかなり不利な条件だったろうに、結果的に小春さんは俺との縁談を受け入れてくれた。
彼女の心の片隅には、父親の友人の息子が相手だからという配慮がいっさいなかったとは思わない。だが、少しは俺に対する好意があったと信じていいだろうか。
新婚生活を海外でスタートさせるのは、きっと不安なはず。そこは申し訳ないが、俺の持てる全力で必ず幸せにすると誓う。
いよいよベルギーに渡り、ここから関係を築いていこうと意気込んでいた。
呼び名は、〝小春さん〟から〝小春〟に変えた。それで彼女が、少しでも俺を意識してくれればうれしい。
好きな相手が傍にいれば、どうしたって触れたくなる。
けれど、いきなりことに及ぶのはあまりにも早急だ。
額に口づけただけで頬を染める彼女は、見るからに経験が少ない。そんな相手に、夫婦になった途端に迫るなど、信頼関係もなにもあったものじゃない。
一緒のベッドで眠るのは、恥ずかしがりながらも応じてくれた。実際に嫌がる気配は微塵もない。
であれば唇への口づけも許してくれるだろうかと、反応を探りながら仲を深めていく。
お互いをさらに知り合い、そろそろ次の段階に進もうかというところで、日本にいる正樹さんが事故に巻き込まれたと連絡が入った。
命に別状はないとはいえ、状況はあまりよくない。動揺する小春を慰めるのに、俺には抱きしめるくらいしかできなかった。
結婚相手としてはかなり不利な条件だったろうに、結果的に小春さんは俺との縁談を受け入れてくれた。
彼女の心の片隅には、父親の友人の息子が相手だからという配慮がいっさいなかったとは思わない。だが、少しは俺に対する好意があったと信じていいだろうか。
新婚生活を海外でスタートさせるのは、きっと不安なはず。そこは申し訳ないが、俺の持てる全力で必ず幸せにすると誓う。
いよいよベルギーに渡り、ここから関係を築いていこうと意気込んでいた。
呼び名は、〝小春さん〟から〝小春〟に変えた。それで彼女が、少しでも俺を意識してくれればうれしい。
好きな相手が傍にいれば、どうしたって触れたくなる。
けれど、いきなりことに及ぶのはあまりにも早急だ。
額に口づけただけで頬を染める彼女は、見るからに経験が少ない。そんな相手に、夫婦になった途端に迫るなど、信頼関係もなにもあったものじゃない。
一緒のベッドで眠るのは、恥ずかしがりながらも応じてくれた。実際に嫌がる気配は微塵もない。
であれば唇への口づけも許してくれるだろうかと、反応を探りながら仲を深めていく。
お互いをさらに知り合い、そろそろ次の段階に進もうかというところで、日本にいる正樹さんが事故に巻き込まれたと連絡が入った。
命に別状はないとはいえ、状況はあまりよくない。動揺する小春を慰めるのに、俺には抱きしめるくらいしかできなかった。