愛を秘めた外交官とのお見合い婚は甘くて熱くて焦れったい
他国で起きた紛争の影響で、ブリュッセルの街中には難民がどんどん増えている。その整理が追いつかず、治安が悪化しつつあった。
人道的な配慮から最初は受け入れの姿勢を見せていた世論も、徐々に変化していく。
治安の悪化や自国の経済が圧迫されると懸念が広がり、ブリュッセル市内では受け入れ反対のデモが実施されるようになってきた。その規模も、日が経つにつれて大きくなっているのが実情だ。
そんな中で海外に慣れない小春を呼び戻すなど、俺が安心できない。
タイミングの悪さが悔しくはあったが、こればかりはどうしようもない。状況を説明して、彼女にはもうしばらく日本にとどまってもらった。
そうこうしているうちにベルギーに来て二年が経ち、小春が戻って来られない間に俺の帰国が決まった。
まとまった時間もつくれず、俺自身の帰国もままならなかった。帰れないとは予想していたが、まったく会えないのは正直に言えば辛すぎた。
ようやく彼女と一緒にいられる。そう思えば鬱屈とした心は晴れて、飛行機に乗り込む足取りも軽くなる。
小春は、どんな顔で俺を迎えてくれるだろうか。
真っ先に浮かんだのは、いつもの明るい笑顔だ。
もしかしたら電話で何度もこぼしていたように、本場のスイーツをもっと食べたかったと不満に唇を尖らせるかもしれない。そんな表情ですら、間違いなくかわいらしいのだろう。
彼女を慰めるための土産は買い込んであるが、納得してくれるだろうか。
そんな幸せな想像をしながら、窓の外の青空を眺めた。
人道的な配慮から最初は受け入れの姿勢を見せていた世論も、徐々に変化していく。
治安の悪化や自国の経済が圧迫されると懸念が広がり、ブリュッセル市内では受け入れ反対のデモが実施されるようになってきた。その規模も、日が経つにつれて大きくなっているのが実情だ。
そんな中で海外に慣れない小春を呼び戻すなど、俺が安心できない。
タイミングの悪さが悔しくはあったが、こればかりはどうしようもない。状況を説明して、彼女にはもうしばらく日本にとどまってもらった。
そうこうしているうちにベルギーに来て二年が経ち、小春が戻って来られない間に俺の帰国が決まった。
まとまった時間もつくれず、俺自身の帰国もままならなかった。帰れないとは予想していたが、まったく会えないのは正直に言えば辛すぎた。
ようやく彼女と一緒にいられる。そう思えば鬱屈とした心は晴れて、飛行機に乗り込む足取りも軽くなる。
小春は、どんな顔で俺を迎えてくれるだろうか。
真っ先に浮かんだのは、いつもの明るい笑顔だ。
もしかしたら電話で何度もこぼしていたように、本場のスイーツをもっと食べたかったと不満に唇を尖らせるかもしれない。そんな表情ですら、間違いなくかわいらしいのだろう。
彼女を慰めるための土産は買い込んであるが、納得してくれるだろうか。
そんな幸せな想像をしながら、窓の外の青空を眺めた。