拝啓、親愛なるお姉様。裏切られた私は王妃になって溺愛されています
「ラーラ、ありがとう。私は大丈夫よ。昨今ではあまり見ない古い風習の挨拶だったものだから、ちょっと驚いてしまって。過剰反応しちゃって恥ずかしいわね。それからミリア、あなたに咎がなくって安心したわ。でも、『口は禍の元』という言葉もあるくらいよ。特に今回は権力ある相手で、とても危なかった。今後は少し、気をつけましょう」
「うんっ、うんっ! あたしほんとにバカだ、ファルザード様にだって言われてたのに。次からは絶対に気をつけるよ!」
「でも、ありがとうね。ミリアが私のために怒ってくれたことが、本音では嬉しいの」
「っ、ティーナ……!」
キュッと抱き合うふたりと一匹を眺めながら、一歩出遅れた俺はその場に立ち尽くしたまま安堵や焦燥、いろいろな感情の入り混じった吐息をホゥッとついた。
『ニャー《俺のティーナ、な》』
足もとのザイオンが俺を見上げ、含みのある言い方をする。俺が先ほどこぼした台詞を、しっかり聞き留めていたらしい。
「うんっ、うんっ! あたしほんとにバカだ、ファルザード様にだって言われてたのに。次からは絶対に気をつけるよ!」
「でも、ありがとうね。ミリアが私のために怒ってくれたことが、本音では嬉しいの」
「っ、ティーナ……!」
キュッと抱き合うふたりと一匹を眺めながら、一歩出遅れた俺はその場に立ち尽くしたまま安堵や焦燥、いろいろな感情の入り混じった吐息をホゥッとついた。
『ニャー《俺のティーナ、な》』
足もとのザイオンが俺を見上げ、含みのある言い方をする。俺が先ほどこぼした台詞を、しっかり聞き留めていたらしい。