拝啓、親愛なるお姉様。裏切られた私は王妃になって溺愛されています
「ティーナ、ファルザード様ー! なにしてんの? 花も売れたし帰るぞー!」
客との会話を終えたらしいミリアに声を掛けられて、ティーナがビクンと体を揺らす。
手のひらで包んだままの細い指が、クイッと引かれる感覚がして、ずっと握っていた手を解く。柔らかな感触と温もりが遠ざかっていくのが残念でならなかった。
「い、今行くわ!」
ティーナが上擦った声で返事をし、ミリアの方へと踏み出す。
「ティーナ、俺のさっきの言葉を忘れないで。また、会いに来る。……ミリア、すまないが俺はここで帰らせてもらうよ」
すかさずティーナに囁いて、その後ミリアに向かってひらひらと手を振った。
「オッケー。また孤児院の方にも顔を出してよ。あ、その時は土産を忘れないでくれよな」
「ハハッ。ちゃっかりしているな。分かったよ、次は君らの好物を持っていこう。ではな、ふたりとも」
客との会話を終えたらしいミリアに声を掛けられて、ティーナがビクンと体を揺らす。
手のひらで包んだままの細い指が、クイッと引かれる感覚がして、ずっと握っていた手を解く。柔らかな感触と温もりが遠ざかっていくのが残念でならなかった。
「い、今行くわ!」
ティーナが上擦った声で返事をし、ミリアの方へと踏み出す。
「ティーナ、俺のさっきの言葉を忘れないで。また、会いに来る。……ミリア、すまないが俺はここで帰らせてもらうよ」
すかさずティーナに囁いて、その後ミリアに向かってひらひらと手を振った。
「オッケー。また孤児院の方にも顔を出してよ。あ、その時は土産を忘れないでくれよな」
「ハハッ。ちゃっかりしているな。分かったよ、次は君らの好物を持っていこう。ではな、ふたりとも」