拝啓、親愛なるお姉様。裏切られた私は王妃になって溺愛されています
「それから、しばらくここには来られそうにない。次の来訪は、さらに間が空いてしまうと思う。その代わり、次の時はお前たちが好きな甘い物をたくさん土産に持って来よう」
「わぁっ、甘い物!? 約束だよ!」
土産の件で子供たちが沸き立った。
ふと孤児院の敷地に近い木立の合間で、なにかがキラリと光ったのに気づく。ハッとして顔を向けると往来でよく見る四輪の箱馬車が確認できた。
孤児院への来客かとも思ったが、馬車はそのまま通りすぎて行ってしまった。どうやらこの区域にある民家への来訪だったらしい。
「今週中に、とおっしゃっていましたよね。そうすると、もう出発前にお会いすることはできませんね」
土産に喜ぶ子供たちを尻目に、ティーナが寂しげに口にした。
俺は再びティーナに向き直り、今後について伝える。
「そうだな。調整が済み次第出発するから、早ければ明日明後日中にも発つかもしれん。会うことは難しいな」
俺の答えにティーナはグッと唇を噛みしめて俯く。
「わぁっ、甘い物!? 約束だよ!」
土産の件で子供たちが沸き立った。
ふと孤児院の敷地に近い木立の合間で、なにかがキラリと光ったのに気づく。ハッとして顔を向けると往来でよく見る四輪の箱馬車が確認できた。
孤児院への来客かとも思ったが、馬車はそのまま通りすぎて行ってしまった。どうやらこの区域にある民家への来訪だったらしい。
「今週中に、とおっしゃっていましたよね。そうすると、もう出発前にお会いすることはできませんね」
土産に喜ぶ子供たちを尻目に、ティーナが寂しげに口にした。
俺は再びティーナに向き直り、今後について伝える。
「そうだな。調整が済み次第出発するから、早ければ明日明後日中にも発つかもしれん。会うことは難しいな」
俺の答えにティーナはグッと唇を噛みしめて俯く。