拝啓、親愛なるお姉様。裏切られた私は王妃になって溺愛されています
ミリアや他の子供らとも挨拶を交わし、なぜか地面に卒倒しているザイオンが起き上がるのを待って孤児院を後にする。厳しい地への出立を控える俺の心と足取りは軽かった。
◇◇◇
ファルザード様と十一日ぶりに会ったその日の帰り道。
『みゅー《ねぇ、ティーナ。ファルしゃまにあたしとお話しできるようになったんだって、伝えなくてよかったの?》』
孤児院を出てしばらく進んだところでラーラが切り出した。
「ええ。私がいとし子だという事実は、私が自分の中で折り合いをつけていくべきものだと思うから」
……そうなのだ。ラーラのこと、自分自身のこと、そしてファルザード様とザイオンのこと。私はもう、すべて知っている。
昨日、お姉様の部屋の前の廊下でラーラの慰めの言葉を聞いた気がした。その時は、弱った心が幻聴を聞かせているのだと納得したが、実際はそうではなかった。
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ファルザード様と十一日ぶりに会ったその日の帰り道。
『みゅー《ねぇ、ティーナ。ファルしゃまにあたしとお話しできるようになったんだって、伝えなくてよかったの?》』
孤児院を出てしばらく進んだところでラーラが切り出した。
「ええ。私がいとし子だという事実は、私が自分の中で折り合いをつけていくべきものだと思うから」
……そうなのだ。ラーラのこと、自分自身のこと、そしてファルザード様とザイオンのこと。私はもう、すべて知っている。
昨日、お姉様の部屋の前の廊下でラーラの慰めの言葉を聞いた気がした。その時は、弱った心が幻聴を聞かせているのだと納得したが、実際はそうではなかった。